バード夫婦はこの後大事な用事があって、あと10分で腹ごなしして移動しなくてはいけません。このことは増田さんにもコンサルさんにも連絡済みでした。

手元には、お二人の監修のもと、バード夫婦がお金を出して買った菓子パン。

でもコンサルさんは「わたしはその菓子パンメーカーはまったく信用していないし、味もよくないのではないかと思っています。でもそれを食べるなら、味を工夫した方が良いです」と伝えてきました。

そんなこと言われても、もうこの菓子パン選んじゃったし、周囲にお店もないし、あと10分しかないし、調味料もないし・・・。やむを得ずそのままかじりました。「う・・・、美味しくない・・・」顔をしかめるバード夫婦。

コンサルさんは「ほら、言ったでしょう。鼻をつまんで飲み込むしかないのではないでしょうか」と言いました。

何かイラッとします。
これってコンサルティングと言えるの??



バードがぐるぐるとこんなことばかり考えている間に、バード夫はとにかく事態を解決すべくアクション! 仕事中に増田さんに電話して相談したとのこと。

焦るバード夫に対し、増田さんは穏やかな口調で「あー、K工務店さんもあの約款の内容にちょっとビックリしちゃったというか・・・。でも僕がさっき尾崎さんと話したら、ああ、そういうことですか、それで良いのならこちらも大丈夫です、とおっしゃってましたので」などと、すでに落ち着いた様子で話してくれるのに、拍子抜けしたそうです。

「なんか大丈夫みたいだよ・・・」と安心した様子でバードに電話報告をくれたバード夫。
 
「4日後の契約日までに何とかしないとと焦っちゃったけど、落ち着いて考えてみたら、逆にああして反論してきたK工務店さんへの信頼感が増したよ。だって業界の慣習と乖離した契約内容をただ鵜呑みにするって、逆に心配にならない? 俺も仕事でよくベンダーさんと契約するようになったから分かる」とも。

バードも「確かに、職人気質な人らしい反応かも」と思いました。納得・理解できないことをうやむやにしない姿勢、建築士から仕事をもらう立場であってもはっきり主張する姿勢に、信頼感を感じました。また、増田さんと尾崎さんの信頼関係がすでに築かれていることも感じました。


そしてオトナなバード夫がコンサルさんに以下の返信。

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K工務店さんの業績があまりよろしくない可能性があるというのは心配ですので、XXXはぜひともお願いしたいところです。
また、少しでも出来高に近づけるということで、3回払(中2回)も想定しておきます。

XXX条、XXX条については、修正を受け入れるということで結構です。
XXX条については、XXXと引き換えに削除するということで結構です。

※以上の件、本日、増田さんとも相談させていただき、ご連絡しております
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そしてK工務店さんが修正してきた約款に、コンサルさんが一文加筆した最終版を送ってくれ、約款問題は収束いたしました。


ちなみに支払いに関して、K工務店さんから以下のご提案をいただきました。

2回払いの場合
10月末 65%、残金 35%

3回払いの場合
9月末(上棟後)30%、11月末(外壁完了後)30%、残金40%


着工時に4割、上棟までに7割などの業界慣習に比べたら、かなり出来高払いに近い内容「承服できません」と強い主張をしてきながらも、こちらの希望に沿った支払い方法を提示してくださるK工務店さん。

結局バード夫が「3回払いにしてもらって、真ん中の支払いは現金で払おう。だから銀行には2回金消契約に行くだけ」と決めました。

この内容で工事請負契約書に判を押します。


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ツンデレK工務店。
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