電車を降りると雨が降ってきました。運の悪いことに二人とも折畳み傘を忘れており、仕方ないので近くにあったコンビニでビニール傘を買いました。
初めて降りる駅。
1本のビニール傘に身を寄せ合い、見知らぬ街路を歩きます。
寒いし、暗いし、雨も降っているし、何やら寂し気な雰囲気です。大変心細い気持ちになりました。
「もしバード夫が死んじゃったら、私はこういう寂しい世界で、一人で生きていかないといけないのか・・・」
気が弱っているときは、関係のない不安まで呼び起こされてますます悪循環です。
バード夫が携帯で地図を見ながら、15分ぐらい歩いて、大家さんの家まで辿り着きました。大家などという不動産業を営んでいるので豪邸を想像していたのに、えっ、と思うほど普通の、地味で古い一軒家でした。
1階の電気はついているようです。バード夫が「もたもたしていてもしょうがない」という風に、割とすぐにインターフォンを押しました。バードも恐怖心をグッと抑え込め、身構えました。
・・・しかし応答がありません。
再度押しましたが、やはり出られません。
バードはもう逃げ出したい気持ちで、「居ないんじゃ仕方ないね、帰ろう」と言いましたが、バード夫は「いや、ここまで来たんだし、ちゃんと話さないと」と携帯を取り出し、大家さんに電話をかけました。
すると電話に出られました。
「あ、もしもし、あの、バード夫と申します。あの、隣の新築工事の・・・。はい、今、実はお宅の前まで来ておりまして・・・。はい、はい、○○市の。あの、すみませんが少しお話しさせていただけないでしょうか」
携帯を切るバード夫。
「いたよ。出てきてくれるって」
一気に心身が緊張しましたが、もう逃げられません。
しばらくすると玄関の照明が点き、大家さんが出て来られました。
※すみません、長くなってしまったので一旦切りますが、明日更新します。
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バードの実家は東京のベッドタウンにあり、郊外感がありました。子供時代の、底の見えない大きな穴を覗き込むような寂しさ・不安感を思い出すので、郊外感のあるエリアに行くと心細いです。。。
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バードの実家は東京のベッドタウンにあり、郊外感がありました。子供時代の、底の見えない大きな穴を覗き込むような寂しさ・不安感を思い出すので、郊外感のあるエリアに行くと心細いです。。。