増田さんと「住まいの解剖図鑑」が同じにおいがする・・・。


バードは、さまざまな業界の"におい"を感じるのが好きなのですが、建築士業界って、こういう何ともとらえがたい雰囲気なのでしょうか?


バードの実家は、30年ほど前、知り合いの一級建築士さんに設計してもらったものなのですが、その建築士さんは見た目も田舎臭いし、なんかヘラヘラしているし、こっちが子供だと思ってくだらないギャグとか言ってくるので、

建築士ってダサイ
 
という偏見を持ちました 

またその実家の建具は、オトンの幼馴染であった建具屋さんに作ってもらったのですが、その後、その建具屋さんが倒産の危機に陥り、人情に弱く連帯保証人になっていたオトンは大慌て。

一方、懇意に遊んでいた友人でさえ連帯保証人の打診を受けたとたん、パタッと距離を置くというドライなオカンは大激怒。 
 
でも亭主関白なオトンは「うるせえっ」と虚勢を張るばかり。
子供にも隠さずケンカする両親なので、事情はほぼわかってしまう。。。

まだ子供なので建築士と建具屋を混同してしまったバードは、

やっぱり建築士はダメな大人なんだ

という偏見を強化しました 
(結局倒産の危機は抜けられたようです)


 


その後、建築という分野に、まっっったく関心のなかったバード。


それが、このたび家を建てるにあたり、改めて建築という世界の奥深さに衝撃を受けました 


理系っぽいのに、アーティスティックな感性も必要。
デスクワークでありつつ、現場での強いリーダーシップも必要。
法律知識・材料の知識・工法の知識も習得。
イメージの世界で三次元構造を組み立てる想像力。
動線や、そこに住む人間の心理(快適さ・幸せ感)を考えながら、最適な形を導き出してゆく頭の良さ。


なんなの、この軸の多さ!


これがさらに「 建築家 」と呼ばれるレベルになると都市計画 まで話が広がるようで、

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特に大東亜建設記念営造物コンペの丹下案、「大東亜道路を主軸としたる記念営造計画-主として大東亜建設忠霊神域計画-」は、ヒューマンスケールを遥かに超えた壮大なプランと、横山大観風の日本画を想わせるそのパースペクティブ(透視図)によって本来建築学会の若手を対象にした懸賞行事であり、それゆえ到底実施案となり得なかった地味なこのコンペをして、後世まで人々の記憶に留めさせることになった。

・・・

広島の復興計画において、この市街地を十字型に貫く都市軸を通したことで、第二次世界大戦後の広島市の骨格を作ったのは丹下であると言える。またこれにより、当時は単なる一廃墟に過ぎなかった原爆ドームにスポットライトを当て、中心性を持った都市空間として広島を再建する上での、ランドマークとしての「原爆ドーム」を発見したのは、事実上、丹下であると言うことが出来る。

・・・

平和都市広島に生まれ変わるためには、広島城に代わる新たなシンボリックな遺構をそこに設定する必然性が確かにあり、それを見抜いた丹下の方に、都市計画家としての先見性があったと評価出来る。

(「丹下健三」wikiより)
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何? ヒューマンスケールって?
人間の妄想の限界のこと??

原爆ドームは観光客が押し寄せて土産物屋が繁盛するだろうから、私でも街の中心に据える案を出すけどなー (←バカ)

ダメだ・・・。「シンボリックな遺構」という単語を見て真っ先に思い浮かんだのは、地方の奇祭の神輿だし。。。(←バカの極地)
(※分からない人は「シンボル 祭り」で画像検索してみてください・・・)


世界的建築家の何がどうすごいのかさえわからん。誰か「漫画でわかる建築家の世界」とか出版してくれないかな?


増田さんや、あの本に漂う"なんともいえないにおい"は、この多軸な複雑さを内包するにおいなのかしら? なんともつかみどころのない不思議なにおい・・・ 


なんかね、先日、蟻と戯れていたとき、自分も蟻と同じだと感じたんです。

昔はまだいろいろ考えて動く人間だったのに、アラフォーとなった今や、棒でつつかれて急にジタバタする蟻のごとく、その場の刺激に単純反応するだけの生物になっちゃっているんですよ。

二次元世界で生きている蟻には、この多軸で複雑な世界を司る建築士のにおいがとらえられなくて当然ですよね。

いやはや、ヒューマンスケールを超えるシンボリックな建築の世界ですか・・・。

建築士、ぜんぜんダメな大人なんかじゃなかったんですね。 


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あれ?
保奈美も建築士だよね? 
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