施主検査日だったか、引渡日だったか忘れましたが・・・。

記憶にあるのは、もう完成しているリビングに、昼下がりの直射日光が射している景色。

掃出窓からは、バッチリお見合い状態のお向かいさんが見えました。
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そのとき、「ああ、これからはずっとここで暮らすんだな」と思ってゾッとしました。

「え? え? こんな狭い家でじっと暮らすの?」
「こんな前後左右、他人の家に迫られた密集地で暮らすの?」
「ここで歳を取っていくの?」

と急に怖くなり、逃げだしたい気持ちになりました。

「あんなに頑張ってこんなに満足した家を建てられたはずなのに、私は不幸なの?」とかなり焦りました。


今思うと、あれが新築ブルーというやつだったんだろうなと思います。

マリッジブルー、マタニティーブルー、いろいろありますが、これって、相手や対象への不満があるから出てくるものじゃないですよね。

それは、人生を確定させてしまう怖れ。

確定させるということは、他の選択肢を失うこと。
それが怖い。自由を失う、縛られるイメージ。

さらに言うと、他の選択肢を失う ≒ 他の人生を生きられる可能性のあった自分を失う、と言えるので、自分の部分的な死、に感じるのではないかしら。

だから鬱な気持ちが出てきて当然だと思います。
さらに相手や対象に強い不満がある場合は、とても辛い思いをしますね・・・。
(「新築 鬱」で検索すると、深刻な体験談がたくさん出てきます)


でもね、家を建てたからって他の選択肢/可能性を失ったわけじゃないさ!

新築ブルーを体験したバードも、今じゃ「ここを賃貸に出して、都心のヴィンテージマンションをリフォームして暮らしてみたい♥」などと、次の家の妄想に耽るぐらいまでふてぶてしく育ちました。


でも一般ウケする家としない家では、他の選択肢/可能性の幅に差が出ますよね。だって他人様にウケてもらえないと、高く売れない/貸せないし。

設計の記事では「自分好みに作り込んだ」感が前面に出ているバード宅ですが、将来の選択肢/可能性を広く持っておくために、一般ウケを考慮して「作り込み過ぎない」ことも意識して設計しておりました。

次回記事でそこらへんを書きますね~。






不気味なドール、妖しい照明が一般ウケしないことは承知さ。だからドールを埋め込みにしたり、照明を備え付けにしなかった。どかせば普通のお家。ちょっと窓とコンセントが多いけど。